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秋季企画展     「水辺を描いた画家 長尾杢太郎 ‐」展    10/1~11/6 第Ⅱ展示棟
               
 
 
   

 この度碌山美術館では「水辺を描いた画家 長尾杢太郎展」を開催致します。
長尾杢太郎作の《亀戸風景》は、日本近代彫刻の先覚者、荻原守衛(碌山)が17歳の時に初めて目にした油絵です。青年荻原に大きな感動を与えたこの作品は、長尾がのちの新宿中村屋の女主人・相馬黒光の結婚祝に贈った作品で、嫁入り道具の一つとして信州穂高の相馬家に飾られていました。また、長尾は、画家を志した荻原を画塾不同舎へ引率し、指導者小山正太郎への紹介も行っています。このように長尾は荻原を芸術の道に進ませる導き手の一人だったのです。
長尾杢太郎(1868~1919)は岡山市成羽町の士族・長尾道一の四男に生まれ、師範学校を修業後、大阪に出て洋画家の山下宥に鉛筆画を学びます。やがて上京して小山正太郎の画塾不同舎に入り、明治中期から大正期にかけて太平洋画会で活躍しました。
初期の作品は、小山正太郎の影響を受け、バルビゾン派的な風景画を綿密に色を重ねた色調で描いています。その後は、明瞭な筆の運びによる純粋性と素朴さを備えた画面へと変化し、水郷で汗を流す人々や、川舟の船頭といった水辺にみる日本的な風景を描くことを得意としました。
長尾が洋画制作に励んだ明治の中頃は、日本の美術の流れは国粋主義へと傾き、西洋画は排他的な環境にありました。洋画家達は、不条理な状況下にあっても屈することなく制作に励み、長尾らは、明治35年に西洋画の研究団体「太平洋画会」を創立します。研究所ではデッサン力の習得に努め、個性の尊重を念頭にした自由な画風制作をめざしました。
長尾は、自身の号を「長尾黙」としています。そこには、純粋な眼差しで日本の風景を見つめ、油彩で描く新しい芸術の在り方を自問する長尾の姿を窺うことができます。
西洋画を学んだ長尾杢太郎の描く日本の水辺の情景を御覧下さい。

 
     
 

《綾瀬川の夕暮》1902年頃 50.0×65.0㎝   《亀戸風景》制作年不詳 45.5×73.5㎝  個人蔵

 

冬季企画展     「小品彫刻-木彫と石膏像-」展 11/19~3/17 杜江館

 

 

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